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                                  『蕃山21の会』の紹介

1.はじめに

    蕃山は,市街地の西部に位置する「蕃山」,「西風蕃山」,「蛇台蕃山」,「萱ヶ崎山」の四つの峰からなる里山で,仙台市中心部の近くにありながら,里山として信仰と伝説と歴史があり,また原生林を含む山域には,野鳥や昆虫,ニホンカモシカ,ツキノワグマなどの動物が生息する自然の宝庫で,今は仙台市民の憩いの場となっております。

モミ,イヌブナの巨木やアカマツが点在する林の中を歩くと,カタクリの花や新芽で春の

訪れを知り,濃い緑陰で暑い夏をひととき忘れ,色づき始める木々の葉で秋の気配を感じ,落葉する木々で冬の訪れを知ることができるなど,四季の移ろいを身近に感じることができるところです。現在,蕃山は,仙台市の『わがまち緑の名所100選』にも選ばれています。

2.『蕃山21の会』の発足の経緯

   『蕃山21の会』(自然保護団体)の発足は,1990年(平成2年)頃,開発業者が蕃山の東側でリゾート計画(温泉を利用したホテル,旅館,保養所,テニスコート,ゴルフ練習場等)を進めるために山林を買い占めたことから始まります。

この開発計画に危機感を抱いた市民が1991年(平成3年)10月29日に『蕃山21の会』を結成(528名)して開発反対ののろしを上げました。会の名称は,蕃山の自然を21世紀まで残そうという意味を込めて『蕃山21の会』としました。

開発阻止と蕃山の自然保護に向け,仙台市や宮城県への要望や陳情を繰り返すとともに,会員が土地を売らない地権者から立木を一本づつ買い上げる「立木トラスト」を実施し,法的に対抗しました。これらの運動に対し開発業者は,さまざまな形で開発を目論みましたが成功せず,開発阻止運動は成功しました。

そして,1997年(平成9年),行政や関係者への猛烈な働き掛けが功を奏して,蕃山東部地区(約81ha)が「都市緑地法」(旧「都市緑地保全法」)に基づく「特別緑地保全地区」に東北地方で初めて指定され,恒久的に保護されることになりました。

    この他にも蕃山の自然保護に取り組んできた結果,「鳥獣保護地域」への指定,馬越石地域の「宮城県自然環境保全地域」への指定等,の成果を上げることができました。

その後,2013年(平成25年)6月,当会が蕃山南側で大規模伐採が行われていることを発見し,宮城県・仙台市に通報したことで違法伐採が発覚し,その後の復元(造林)につながりました。

また,現在,蕃山南側地域で森林を大量に伐採して大規模太陽光発電施設を建設する動きがあり,動向を監視しているところです。

 

3.『蕃山21の会』の活動の内容

     『蕃山21の会』は,蕃山およびこれに連なる優れた自然環境を保全し,多くの人々が自然に親しみ,新たな緑の文化を創造して,将来の世代に引き継ぐことを目的に,次の『保護部会』,『親しむ部会』,『ふれあいの森部会』に分かれて活動を行っています。

 

  ●『保 護 部 会』:自然保護に関する普及・啓発,開発行為の防止に向けた定期巡回パトロ  ー  ル,登山道の整備等の活動を行っています。

 

   ●『親しむ部会』:蕃山および周辺の山々を歩き,季節の移ろいを楽しむとともに,自然の豊かさに触れ,動植物の観察等を行うなどの自然に親しむ活動を月一回のペースで行っています。

 

  ●『ふれあいの森部会』:国有林に市民が自主的に植林し管理する「ふれあいの森」で,植林した樹木の生育管理,下刈り等の他,市民の憩いの場として観察路の整備,不法投棄ゴミの回収,さらには稀少動植物の保護,自然観察会の開催等の活動を行っており,2001年(平成13年)に東北森林管理局長より,また2021年(令和3年)には林野庁長官より感謝状を授与されました。

 

最近の活動については,『蕃山21の会』のInstagramをご参照ください。                                                   

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